文豪愛煙家ランキング

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文豪愛煙家ランキング

 文壇番付という勝手なランキングを作るのが戦前の一時期流行った。年齢、収入、作品数などの作家の要からはじまり、挙句の果てには「おデブ番付」「愛煙家番付」。
 愛煙家番付を見てみよう。
 ランキングの第一位は、十一谷義三郎で、ゴールデンバットを100〜150本。
 二位はなんと、詩人の北原白秋。敷島100本。
 三位は馬場孤蝶で、暁60本に、パイプシガーで桃山一缶を2日であける。

 今日から受動喫煙とかなんとか糾弾されそうである。

『現代日本文学全集100』

 かつて存在した番付。今もランキングとかやる事はやっているが、そこまで大っぴらじゃなくなったのは、プライバシーや作家の多様化などあるのだろう。

 戦前は作家のプライバシーなどあってないようなものだから、平然とすっぱ抜きがあった。笑って許してくれる場合がほとんどだったというが、時として秘密や差別的な記載で問題になる事もあった。

 菊池寛に忖度した直木三十五が「文壇番付」を作った際、今東光の秘密や言われたくない点を暴露――激怒した東光が文壇を飛び出して、筆を折ってしまった筆禍事件などはいい例だろう。

 なお、上の番付の一位になっている十一谷義三郎は、戦前の流行作家で、『唐人お吉』の形を完成させた人。今伝えられる物語はこの人の手によるところが多い。

 北原白秋は言わずもがな知られた大詩人。童謡作家、歌人としても有名。

 馬場孤蝶は何度も『文壇逸話帳』に出てきている戦前の随筆家。樋口一葉の大親友であった。孤蝶は当時としては珍しく、紙巻よりも葉巻やパイプが好きで、パイプ礼賛を新聞記事に挙げた程である。粋人というか、なんというか。

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