段四郎のやった事ないスポーツは?(都新聞芸能逸話集)

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段四郎のやった事ないスポーツは?

段四郎のスポーツ熱も相当移り気で、野球、拳闘に凝つてゐたのは昔のこと、つい此間までスケートに夢中だと思つてゐたら、今度はゴルフに転向、もう大抵のスポーツはやり尽したらうと水を向けると、まだスキーだけはやつてゐません、と云つた後で、イヤもう一つ、是非やりたい/\と思つてゐて今だに家庭の反対でやれずにゐないものがあります、と云ふので何かと思つたら、飛行機の操縦

1935年3月9日号

  市川段四郎は、三代目猿之助・四代目段四郎の父であり、香川照之の祖父にあたる人物である。二代目猿之助そっくりの風貌と恰幅のいい身体を持ちながら、50代半ばで倒れ、夭折した。

 段四郎在世時には、歌舞伎界随一のスポーツマンとして知られており、スポーツをやるのも見るのも好きだった。

 某歌舞伎愛好作家は三代の猿之助を綴った本の中で、休日スポーツ中継ばかり見ている段四郎の姿を批判し、「本当に二代目の子なのか」と疑念を呈しているが、スポーツ観戦の趣味をしていた人物は、十七代目市村羽左衛門や尾上梅幸、中村雀右衛門などおり、別に珍しい事ではない。

 三代目猿之助の天才性を醸し出すための批判なのかもしれないが邪推というものだろう。趣味がスポーツだから凡才というわけではないのである。

 尾上梅幸などゴルフが大好きで、一時期は筋骨隆々な腕になりすぎて、観客から失笑を買うほどであったが、名女形としての地位は崩れる事はなかった。

 そもそも段四郎は才能を開花させる前に夭折した感が強く、真の本領は未知のままであった。

 三代目を強く推薦するのは構わないが、段四郎のスポーツ趣味が平々凡々たる様な解釈をされては困るのではないか。

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