菊五郎一座の数字づくし
菊五郎一座の京都南座――六代目の源九郎狐に、文七元結で家主甚八、手代の文七に野崎の駕籠舁源六、町人五郎八、千本桜の花四天と泉三郎、高坏の作者が久松一声、野崎の百姓久作と義経千本桜、太刀盗人の田舎者万兵衛、等々、これほど数字が揃つてゐるのに、十と二だけがないのは不思議と思ったら、それ昭和十年の二月興行
1935年2月9日号
たわいない数字づくしのゴシップである。落語的といえば落語的である。
源九郎狐は『義経千本桜』に出てくる狐である。静御前の窮地を前に義経の家来・佐藤忠信の姿として現れ、共に行動する。
野崎の駕籠舁源六、町人五郎八――この辺りは大役ではないので、数合わせといった所か。また、作者の久松一声を持ち込んでいるのもそれらしい。
ただ、これだけよくまとまったものである。
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