まんじゅうこわいの沼波瓊音

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まんじゅうこわいの沼波瓊音

 奇人として謳われた沼波瓊音はまんじゅうが大好きで、名古屋の納屋橋まんじゅうを一度に三十六個食べて周りを驚かせたりした。
 ある時、知人が沼波瓊音に短冊を頼んだ。しかし、沼波瓊音は気が乗らないと首を振らない。
 後日、その友人が「これで書いてください」と持ってきたのは山のようなまんじゅう。
 大好物を前にテンションが上がった沼波瓊音、まんじゅうを食べながら、次々と短冊を書き上げていった。

沼波美代子『雷と火事と饅頭』

 日本精神論・皇室中心主義論の第一人者で、独特の俳諧・国学史観で、多くの論争を生み出した沼波瓊音。

 その痛烈で、鋭い閃きで多くの関係者や生徒を畏怖させたが、まんじゅうが大好きで、まんじゅうに弱いという思わぬ一面があった。

 如何なる思想家も一人の人間である事を伺わせてくれるいい逸話ではなかろうか。

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